2020年6月5日、新型コロナウイルスの影響で出産時の立会いや面会が制限される中、
私は緊急帝王切開で息子を出産しました。
無事、息子は元気に生まれ、すくすく育っています。
ただ、出産を振り返ると、
「緊急帝王切開に備えてもっと準備できることがあったな」
と思うのです。
このコロナ禍で、妊娠出産に不安を持つ方が大勢いらっしゃると思います。
私もその一人でした。
自分の経験が役に立てたらと思い、
コロナ禍での緊急帝王切開に備えて準備すべき3つのこと
をこの記事にまとめました。
3つのこととは、
- 夫婦で帝王切開についての考えのすり合わせ
- 出産についての制度や保険を確認する
- 病院で緊急帝王切開の流れを確認する
です。
それぞれの項目について、通院や出産レポートをかねて説明します。
①夫婦で帝王切開についての考えのすり合わせ
分娩方法として、自然分娩や無痛分娩を選ぶ方が多いですが、帝王切開の可能性は誰にでもあります。
夫婦で帝王切開についての情報を共有したり、分娩方法についての考えのすり合わせをおススメします。
夫は帝王切開に反対?賛成?
Twitterで「夫が帝王切開に反対している」というツイートを見かけたことがありました。
どんな理由かはツイートではわかりませんでしたが、ネットで検索すると、
- 次の子を産むまで時間が必要
- 宗教的な理由
- 自然分娩へのこだわり
- 妻の身体に傷は作ってほしくない
など色々あるようです。
しかし、どんな出産でも帝王切開を選ばなければならない状況があります。
帝王切開とは?
帝王切開には、予め分娩日を決めた「予定帝王切開」と、普通分娩の予定が何らかの理由で帝王切開にせざるを得なくなった「緊急帝王切開」があります。
予定帝王切開:予め自然分娩が難しいと判断した場合。例えば逆子、双子以上、子宮口に胎盤があるなど。
緊急帝王切開:普通分娩の予定が、赤ちゃんやお母さんの元気がなくなり急いで分娩を行わなければならない時。
参考サイト:日本産科麻酔学会
こうした状況になった場合に帝王切開が必要なこと、またどの状況で帝王切開すると決定するかを夫婦でしっかり話し合うべきです。
うちの場合
私たち夫婦は、妊娠40週の時点で子どもが大きめで帝王切開の可能性もあると医者から言われた時に話し合いました。
夫は、
「普通分娩を希望するけど、ナツと子どものことを考えて帝王切開が必要ならすぐにでもOKするよ」
と言ってくれました。
出産当日、コロナの影響で夫は入院に付き添えませんでした。
破水前に出血があり、促進剤を使っての普通分娩を予定していましたが、
息子の頭が降りてこず、私が陣痛でパニックになってしまいました。
帝王切開でいいと私が言っていると看護師からの電話を受けて、
夫は「妻の希望を優先してください」と話したそうです。
②出産費用についての制度や保険を確認する
帝王切開での出産になった場合、普通分娩よりも費用がかかります。
普通分娩の場合、出産にかかる費用は30~40万。
「出産育児一時金」を受け取ればほとんど費用はかかりません。
帝王切開の場合、普通分娩よりも入院日数が多いこと、母子の健康状態などによって普通分娩よりも費用がかかります。
この費用はどうしたらよいのでしょうか?
私たちは、「高額医療費支給制度」を利用し、事前に「限度額適用認定証」を発行して退院時に最低限の費用で支払いが出来ました。
高額医療費支給制度とは?
高額医療費支給制度とは、1ヵ月にかかった医療費が高額になった場合一定の金額があとで払い戻される制度です。
この「高額」の金額は、年齢や収入などで決まります。
帝王切開はこの高額医療費支給制度を利用できますが、「あとで払い戻される」ので
退院時には、出産一時金が引かれた残りの医療費を支払わなければなりません。
これを退院時に限度額を引いた費用で支払えるのが「限度額適用認定証」です。
限度額適用認定証とは
事前に医療費が高額になると分かった場合、限度額適用認定証を発行して医療機関に提出すると、医療費が自己負担限度額までとなります。
高額医療費支給制度は支払いが終わった後に申請しますが、限度額適用認定証があれば退院時に最低限の支払いで済むんです。
実際、私と息子の医療費は出産一時金を引いても25万かかるところ、限度額適用認定証を発行して13万ほどで済みました。
限度額適用認定証は必ず必要?
限度額適用認定証は帝王切開の場合必ず必要なものではありません。
先ほど説明した「高度医療費支給制度」を利用すれば、お金は返ってきます。
しかし、退院時に高額の医療費を支払う準備ができない場合は申請・発行を事前にした方が良いです。
私が限度額適用認定証について病院から説明を受けたのは32週目の検診時でした。
その時は必要ないかな、と思ってなんとなく説明を受け、結局認定証は出産まで発行しませんでした。
緊急帝王切開になり、産後1日経った時に受付の方から費用が高額になることを聞き、
慌てて夫に限度額適用認定証を申請するように頼みました。
夫は職場に申請し、なんとか退院前に発行できましたが、職場に無理をお願いしたようです。
もし、事前に余裕を持って発行していればこんなことにはならなかったと思います。
帝王切開は医療保険適用!保険の確認も忘れずに
帝王切開は医療保険が適用され給付金が支払われます。
医療保険に加入している場合は、給付金がいくら払われるか確認してみてください。
私も保険で入院給付金と手術給付金を受け取り、結果的に出産にかかった費用はほぼ0になりました。
私が参考にした妊娠出産費用についての本
私が妊娠出産費用について参考にしたのがこちらの本です。
妊娠出産に必要なお金や、制度、子育て費用などどれもわかりやすく説明されています。
③病院で緊急帝王切開の流れを確認する
いざ帝王切開になった時に、どんな手術を行うのか、どんな入院生活になるかなど不安な点は沢山あります。
私は正直、緊急帝王切開での出産と入院がどんなものかほとんど病院に聞かずに迎えてしまいました。
今思えば「これを聞いておけば良かった!」と思うことを挙げてみました。
緊急帝王切開の場合、傷は縦?横?
私の場合は縦でした。横の方が治りが早く傷が残りにくいと後で知ったので、気になる方は聞いておくべき。
個室なのか?看護師さんは付いてくれるのか?電話はOK?
コロナ禍で夫が病院に入れなかったため、私は個室で一人陣痛に耐えていました。
看護師さんはずっとはついていてくれず、促進剤を使ってどんどん間隔が狭くなる陣痛にパニックになってしまい、過呼吸を起こしました。
もし、この状況になることを分かっていたら、もう少し看護師さんに甘えたり、夫と電話して心を落ち着かせられたかもと思うのです。
この後、結局私の過呼吸状況と、息子の頭が下りていないことから緊急帝王切開になりました。
立ち合いはどこまでできるのか?夫には会えるのか?
帝王切開の場合、立ち合いは基本的にはできません。
しかし、出産後に夫がわが子を抱くことはできるかなと思っていたのですが、コロナ禍でガラス越しの初対面だけ。
病院によって対応が異なるので最後の最後に確認しておきましょう。
私は手術後、病室に向かう途中で夫と少しだけ話す時間が取れました。
しかし、促進剤で陣痛に耐え、手術で麻酔がまだ完全に抜けていない状況では何を話したのかもうろ覚え。
出産の感動を一緒に味わえなかったのは、少し残念でした。
食事はいつからどんなものを取れるのか?
帝王切開の場合、1日は食事を取れません。
食事が取れ始めたとしても初めは重湯のみなどとても寂しい内容。こんな過酷な入院生活だとは思っていませんでした。
InstagramやTwitterなどSNSで帝王切開レポートを読みまくる
Instagramなどにはマタニティアカウントを作って妊娠中や出産の様子を投稿しているママさん達が沢山います。
「 #帝王切開レポート #出産レポート」などを検索にかけると帝王切開を経験したママさん達の体験談が沢山出てくるので、それらをひたすら読むのをおすすめします。
中にはちょっとリアルすぎる表現が書かれていてちょっと不安になる方の投稿もありますが、どのママも過酷な出産を乗り越えて元気な赤ちゃんを出産したのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ:帝王切開は立派な出産!コロナ禍でもしっかり準備して安心
コロナ禍での緊急帝王切開に備えてやっておくべき3つのことを紹介しました。
- 夫婦で帝王切開についての考えのすり合わせ
- 出産費用についての制度や保険を確認する
- 病院で緊急帝王切開の流れを確認する
この3つを確認して出産を迎えてくださいね。
結局帝王切開にならなくても、帝王切開になっても、いずれにせよどんな出産も立派な出産です。
「思い通りの出産じゃなかった。」と涙ぐんでいた私に、看護師さんは、
「元気な赤ちゃんが生まれたんだから、あなたは立派よ!」
と言われて感動したのは一生忘れません。
コロナ禍で出産に大きな不安を抱えていると思います。
そんな時こそ、人と人のつながりを大切に。
どうか皆さんも元気な赤ちゃんを出産できますように。