教員1年目。
教員採用試験の知識が活かされることなく、右も左も分からない毎日を過ごした教員1年目の4月〜7月。
夏休みに入り、やっと少し余裕が出来た時にこの時期にしては思ってはいけないだろうことを思ってしまった。
仕事辞めたいな。
描いていた理想の教員生活とは程遠い毎日。これがまだあと5年(初任は5年で転勤)も続くかと思うと気分が滅入った。
赴任した高校は、生徒指導が厳しく雰囲気が暗い学校。
生徒たちは、やんちゃな子もいたが、とても素直で可愛い子たちばかりだった。
しかし、教員の人間関係が良くなかった。
先輩教師の冷ややかな目を気にしながら行動するなんて、何てつまらないんだろう。
部活を頑張っている同期が評価され、授業を頑張っている自分が非難されることへの不満。
色々重なって夏休みはとにかく仕事が憂鬱になっていた。
このままではいけない。
そう思った私は夏休みから「仕事を辞めるか続けるか」を決断するために行動し始めた。
結果から話すと、この行動をしたことで、その後4年しっかり勤務校で働けた。でも仕事を辞めたいと思うのはなくならなかった。笑
そして2校目で勤務した2年目に、適応障害になり退職している。
こんな人間の話でも、仕事を辞めたいと思っている先生に読んでもらえたら嬉しい。
仕事を思い切って休む
朝起きて身体が重い。熱っぽい。
ストレスからくる体調不良はあなたも経験があると思う。
社会人として休むのは良くない。
その考えは、どこから学んだ?
体調が悪ければ休む。
授業があるのに…
担任だから…
2,3日休んだって仕事は誰かが回してくれる。回せない学校なら、ちょっと問題あり。
毎年のように周りの先生たちが療休に入るような学校なら、転勤を希望するか、思い切って転職した方が良いと思う。教師といえど、その働き方はブラック企業で働くのと同じだから。
転職サイトに登録する
仕事を辞めたいと思ったその日にいくつかの転職サイトに登録した。
転職サイトに登録するだけで、次のメリットがある。
・適職診断を受けられる
・自分に興味を持ってくれた企業からスカウトメールが届く
・興味のある職業を検索できる
若い教師の多くが学生の頃から「教師になりたい」と思ってなったのではないだろうか。他の職業について興味を持ったり学ぶ機会はこれまで少なかったと思う。私自身もそうだった。
適職診断では、自分が仕事に求めていること、性格、具体的な職業を教えてくれる。
転職サイトのプロフィールを充実させれば企業からスカウトメールが届くことも多くなる。初めは運送会社や飲食店など誰でもできるような企業からのスカウトメールが届いていたが、英語の資格をプロフィールに盛り込むと外資系や英語アプリ開発企業など自分に合った企業からのメールが届くようになった。
何事もやってみることが大切だと思った。転職サイトに登録したことで、社会にはこれだけの人材が求められていて様々な仕事があることを学べた。
私が登録した転職サイトは以下の3つ。
duda
dudaは日本最大級の求人数を掲載しており、地方の企業も多い。自分で検索が面倒でも、自分を担当してくれるスタッフからオススメの求人についてメールが届くので便利。
プロフィールや履歴書のアドバイスについてもホームページで細かく説明してくれているためとても勉強になった。実際にdudaのオフィスに足を運んで話を聞いてもらうこともできる。
dudaは本当にビフォアフターケアが優れている転職サイトだと思う。
Wantedly
WANTEDLYはベンチャー企業を中心とした求人サイトだ。特徴は、気軽に企業の方と直接コミュニケーションが取れること。
もし興味のある企業があれば、いきなり採用面接に進むのではなく、skypeで話をしたり、実際に会社を見学するなどまずは「企業を知ること」から始められる。
・転職活動を始めるのが不安で色々な会社を見学してから決めたい
・成長途中の会社で自分の力を試してみたい
という方にはおすすめ。私の友人何人かもこのWANTEDLYで転職を成功させていますし、逆に会社の人事担当としてWANTEDLYを使っている人もいる。
教育系の企業やNPOも多く、教員から転職する方にはおすすめの求人も沢山ある。
マイナビエージェント
マイナビはTVCMや電車の広告などでよく見られる大手就職斡旋会社。そのマイナビの転職サイト「マイナビエージェント」は20~30代に焦点を当てて転職支援をしてくれるサイト。インターネットサービスだけでなく、転職イベントも多く開催しており、イベントで実際に企業の方と話をすることもできるのが嬉しい。大手企業だからこそできるアプローチだ。
まずは登録だけでも
本当に転職するかはさておき、登録をするだけでも今までと違った世界が見えてくるはず。
職場にメンターを見つける
職場にメンターが見つからなかった友人は、3年で転勤した。
家庭科教員だった友人は、初任校で家庭科に力を入れている高校に赴任し、先輩家庭科教員からこっぴどくいじめられていたらしい。他教科の先生に話を聞いてもらったり、管理職と面談をして何とか仕事を続けてはいたが、やはり今後の自分の教員としてのキャリアを積むためにも転勤を選んだ。
今は新しい小さな学校で伸び伸びと仕事をしている。家庭科部の活動を広げ、地域の情報誌に載るなど評価されている。
私は初任校で幸いにもメンターと呼べる先輩教員に出会えた。
その1人が授業を見てもらう指導教官だ。毎日の授業を見てもらい、授業後にその日の授業についてアドバイスをいただく。授業を頑張りたかった私にとってこの研修はとても有意義だった。私の指導教官は、県でも初任者に向けて研修を行っている方だったため、若い先生たちの味方になってくれるエネルギッシュで懐の深い先生だった。
人によってはこの指導教官と馬が合わない人もいると思う。私の同僚は、指導教官が「正しい」と思う授業をやらされ、自分がやりたいことができずに毎日悩んでいた。
指導教官が必ずしもあなたの「メンター」になるとは限らない。教科にかかわらず色んな先生の授業を見に行って話を聞いてみたり、教科以外のことでも相談できる先生を見つけると心強い。
私は授業については指導教官がメンターだったが、進路指導については進路指導部長、クラス経営については他校の先生、普段の小さな悩みを聞いてもらうのは今の夫だった。
「みなさん忙しそうで相談しずらい…」
そう思うかもしれないが、初任の頃は他人から学んでなんぼだと思う。どんどん積極的に自分から動かないといつまでたっても周りの先生には追いつけないし、向こうからアドバイスはもらえない。
夏休みや学期終わり、少しは先生たちにも時間に余裕が出るはずなので、機会を見てに相談してみてはどうだろうか。
SNSで情報を集める(注意も必要)
自分の悩みは小さいものなのか、他の先生たちはどうやって仕事しているのか、学校にいただけではわからないことも多い。
SNSを利用して全国の教師と繋がり情報を集めることで悩みを解決したり、新しい知識を得ることができる。
私は主にtwitterを利用した。意外にもtwitterを利用している先生たちは多い。著書を出している有名教師から同じ教員1年目まで様々な先生たちが同じように悩みツイートしたり情報交換をしていた。
転職も視野に入れいていたので、教育系の企業やNPOなどはFacebookページをフォローして情報を得ていた。
SNSを利用したことで視野は広がったが、注意するべき点もある。
1つは、SNSの利用方法について。個人が特定されるような内容は発信しないこと。また、仕事で得た児童・生徒の情報は絶対に発信してはダメ。
2つ目はSNSに依存しすぎないこと。twitterを利用する多くの教師が呟くのは「仕事の愚痴」。そのため、そればかり見ていると自分までもが仕事に対するストレスが更に増えてメンタル面に悪影響を及ぼす。
SNSはあくまで「情報収集」というスタンスで向き合うことをおすすめする。
授業研究を極める
「教師1年目で頑張らなきゃいけないのは授業だ。2年目は授業も頑張るが他の仕事でも頑張らなきゃいけない。1年目を大切にしろ。」
私のメンターである指導教官はこの言葉を何度も私の前で繰り返していた。
私はその言葉を信じて、授業にとにかく力を入れた。
英語教育の本を何冊も買い、良いと思った方法を授業で試す。
生徒から文句があっても、先輩教師から「うちの生徒にはそんな授業無理」と言われても何度も改善を重ねて続けた。
トライ&エラーを「本気」で繰り返していくうちに、周りの反応に変化が。
・生徒と信頼関係が築けた
・生徒から「授業が楽しい」という言葉が聞こえるようになった
・先輩教師から授業で試したゲームを使わせて欲しいと言われた
・研究授業に沢山の先生が見にきた
教員たるものやはり授業に本気を入れて取り組むかどうかだと思う。
それをなさずにして仕事を辞めようというのはちょっと甘い。
他に沢山の仕事があるのは百も承知だが、まずは授業に力をいれてみてほしい。
教員1年目に実践したことを別記事に書いたので参考にしてもらえればうれしい。
まずは行動してみよう!
ここまで私が教員1年目の時に実践したことを挙げてきたが、一番大切なのは
「行動すること」
何も行動せず悩んでばかりいては何も変わらない。一人でいては何も変わらない。
悩めば悩むほど、脳ばかりが疲れて眠れなくなったり、疲労感が貯まるばかりだ。
1つ行動をしたことで、自分は変わるための努力をしている、と実感できる。
一歩一歩前進すれば必ず自分が目指すものに近づける。
この記事以外にも私の教員時代について書いた記事があるのでよかったら参考にしてほしい。